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平成21年度生態観察会レポート

平成21年度生態観察会緊急レポート 平成21年7月5日、鮎原下農地水環境保全隊の生態観察会を実施しましたのでご報告いたします。

 本年度の講師は昨年同様「国立公園・成ケ島を美しくする会」理事・自然公園指導員の生嶋史朗先生をお招きしました。

7月5日観察会当日、数日前までの天気予報では晴天のはずが、当日は梅雨前線の北上で午前中より曇り空。時おり雨がぱらつく生憎の空模様でしたが、観察会が始まる午後1時半頃には雨もあがり、暑すぎない抜群の観察日和となりました。

13時30分定刻どおり生態観察会はスタートいたしました。この日お集まりいただいた方々は約50名、集落内外からたくさんの方々にご参加いただきました。

木田一也代表の挨拶の後、生嶋史朗先生から観察の注意点等を聞いた後、13時45分「鮎原下安心コミュニティプラザ」をスタートし下集落最大のため池「中山池」に向かいました。

「中山池」では魚とりの仕掛け「びんどう」を仕掛けました。里山での観察会の後、この場所にもう一度立ち寄って仕掛けに掛かったため池の魚を観察しようというもくろみです。子供達も子どもの頃この池で遊んだ大人たちも興味津々。生嶋先生が「びんどう」に水を掛けると静かに池の中へ沈んで行きました。

 「中山池」に魚とりの仕掛けを設置した後、今回の観察拠点「JoeTargaの森」にむかいました。途中「真竹」の林で生嶋先生から説明がありました。花が咲いたように思っていたのは、実は「テングス病」という竹が菌に侵される病気。日本中の真竹がこの病気にかかりつつあるという説明に、日頃は里山での竹の猛威に悩まされている集落の人たちも神妙な面持ち。

14時10分、今回の観察会のメイン会場「JoeTargaの森」に到着。森の中の湿地(浅いため池)で植物や生き物の観察を行いました。

 この湿地は元々稲作用のため池。隣の集落の河川からポンプアップした水を山や谷を越えて開水路で引き込み、最後の谷はサイフォンを用いてこのため池に引き込んでいました。しかし平成16年の台風23号でポンプが破損。以来水の引き込みを断念し、現在の状態になっています。おかげで水の量は少ないのですが、浅いため池には貴重な湿地の植物が残り、観察には最適です。ところが本年は梅雨時のの雨が少なく、異様に水が少ない状態。例年のような植物や生き物が少ないようです。

この湿地で見られる植物は、コウホネ、サンショウモ、ナガエミクリ、カンガレイ、クログワイ等。元々は水田の雑草として見られた植物もありますが最近は農薬等の影響もあってめっきり減っているようです。

最初は恐る恐る観察していた子供達も、慣れてくると湿地内を元気に動き回っていました。  14時40分ごろ、湿地での観察も一段落。今度は湿地を見下ろす「里山広場」に移動し里山遊びに興じます。広場には保全隊役員が、竹で作った観察デッキを整備。林の中に突如出現したツリーハウスに子供達も大喜び。すぐに段梯子をよじ登り、デッキの上は子供達でいっぱいになりました。

また広場では、この山林の所有者のお話を聞いたり、生嶋先生より「稲作の今昔物語」を聞いたりしました。

「JoeTargaの森」で十分に遊んだ後、中山池に仕掛けた魚とりの罠を確かめに行きました。たくさんの魚が獲れてみんな驚きです。

本年度の生態観察会も盛況のうちに終わりました。今回の観察会を実施するにあたり我々保全隊役員も事前に打ち合わせを重ね準備をしてきました。ここで役員を紹介させていただきます。

(JoeTargaの森の看板の前で。ご苦労様でした!!)

平成21年度生態観察会のお知らせ

鮎原下町内会の皆様方、また日頃から鮎原下集落の農村環境に興味を持っていただいている皆様、今年も生態観察会を実施することになりました。

本年度は集落内の里山林に下の写真のような広場を整備いたしました。この広場を観察拠点とし、隣接する小さなため池の動植物を観察する予定です。里山広場には竹で作った展望デッキなども用意し、日頃里山になじむことの無い子どもたちにとって楽しいひと時になればよいなと思います。

下の写真は里山広場から見下ろしたため池の様子なのですが、従来この時期はある程度水がたまっているのですが、今年は入梅後も充分な雨が降らず、例年のような湿地の動植物が観察できないかもしれません。しかしこのような自然環境の変化を学習することも地元の皆様方、お子様方に有用なことと考え予定通りこの場所で観察会を実施したいと思います。

生嶋史朗先生

講師は昨年と同じ生嶋史朗(いくしましろう)先生をお招きします。生嶋先生は洲本市由良の国立公園・成ケ島で貴重な植物等の保全活動をされています。

生嶋史朗先生は、成ケ島においても日頃から観察会のガイドを務められ、そのわかりやすい説明と淡路島の自然環境に対する造詣の深さには定評があります。

7月の暑い時期ではありますが、夏休み前の休日を、淡路島の里山で過ごしませんか。たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

日  程  平成21年7月5日(日曜日)
時  間  午後1時30分より午後4時(予定)
集合場所  鮎原下安心コミュニティプラザ(午後1時集合)
主催    鮎原下農地水環境保全隊 鮎原下子供会
講師    生嶋史朗(いくしましろう)先生
略歴    鹿児島大学 農学部卒業
元 南淡路農業改良普及センター普及指導員
現在 成ケ島を美しくする会理事 昆虫養殖・販売業

※あくまでも予定であり当日変更される場合があります。 鮎原下安心コミュニティプラザに集合し、中山池上の里山林へ向かいます。 長そで、長ズボン、軍手、汚れてもよい格好でお越し下さい。(雨天中止)

平成20年度生態観察会レポート

2008年7月13日の日曜日鮎原下集落の第2回生態観察会が開催されました。

今回は国立公園成ヶ島を守る会理事で自然公園指導員の生嶋史朗先生をガイド役にお迎えし盛大に開催されました。

午後1時にスタートした観察会では、保全隊代表の木田一也(きだかずや)の挨拶の後、町内会長、洲本市役所農政課の巽様等の挨拶の後、簡単なコース説明を行い、いよいよフィールドに出る事になりました。

下集落の集会所(安心コミュニティプラザ)を13時20分頃出発、集会所から藤兵衛谷池方面に向かって集落内の農道を南下します。

歩き始めて間もなく生嶋先生が、道端のアゼクサに立ち止まり、植物の説明をしてくださいました。詳しい説明に子供よりも、大人の皆さんが目を輝かせながら説明に聞き入っておられます。このへんが生嶋先生のすばらしいところ。人懐っこい説明でどんどん参加者を引き付けていきます。

農道脇の水田に立ち寄って、田んぼの雑草の観察です。いろいろな種類の雑草を見つけ、「この田んぼは観察会向きですね」との先生の発言に、日頃から草取りに忙しい農家の皆さんの苦笑を誘っていました。

13時30分過ぎ、道端の植物の説明を聞きながら、最初のため池(藤兵衛谷池)に到着。ここでため池の生き物や植物の観察を行いました。子供たちのお目当てはアゼクサや田んぼの雑草よりも、ため池の生き物のようで先生が網ですくった生き物を身を乗り出して観察していました。

さあ、この当たりで天気に恵まれすぎたせいか、額のあたりにじっとりと汗が。熱中症対策のためにも参加者のみなさんに休憩と水分補給をしていただこうと、次の観察ポイントの「クワイ池」の堤に休憩所を用意しました。パラソルを何本か立て、冷たいお茶を用意した簡単な休憩所でしたが、役員の心配りに参加者のみなさんも喜んでくださいました。

しばらく休憩し、今回の観察コースの難所?とも言える山深い水路脇の道へ入っていきます。このような水路を管理するための道は昔はよく使われましたが、今はあまり歩くことがなく、大人の方は懐かしそうに、子供たちはちょっと緊張して山間にはいっていきました。この部分も役員総出で事前に観察しやすいように整備させていただきました。

ただ上の写真にも見えていますが、観察コースの畔草がきれいに刈られています。これはこの辺りの田んぼの所有者が草を刈っていただいたのですが、事前の調査ではこのあたりは貴重なアゼクサがあった部分なのですが役員の連絡不足できれいに刈り取られてしまったのです。ちょっと観察の材料が減ってしまって残念ではあるのですが、考えてみるとこのように保全管理が行き届いているからこそ貴重なアゼクサが生育するのです。もし管理されていなかったら人もはいりこめない林になるだけです。お百姓さんに感謝!感謝!!

 

午後2時前、今回の観察コースのハイライト?木田勝巳さんの炭焼き小屋に到着です。木田さんは約20年前から鮎原下集落のこの場所で炭焼きをしておられ、ウバメガシの炭や竹炭を販売しておられます。山深い場所にありますので人が入ることは少なく、ましてこの日は集落の子供たちや父兄おまけにケーブルテレビまでと静かな炭焼き小屋が急ににぎやかになりました。炭の焼き方などを丁寧にお話いただいた後、なんと子供たちに竹炭のおみやげまで用意してくださいました。木田さんありがとうございます。

 

炭焼き小屋の見学も終わり、今回の観察コースで一番標高の高い山道を通過します。この道、実は現在はまったく使われていませんでした。上の写真をみるとりっぱな林道のようですが、1週間前までは人が踏み込める状態では無かったのですが、今回の観察コース設定のために役員で山を切り開いたのです。おかげでちょっぴり刺激的なコースとなりました。昔はこのような山深い場所まで畑が作られていたのです。

 

14時15分頃、刺激的な林道を越えると、突然ご覧のような杉林が現れました。どうです?感動的でしょ。鬱蒼とした林と直線的な植林のコントラスト。この杉林は下集落の下森宏さんが植林し、維持管理しているものです。淡路島ではこのような状態で個人が維持管理している杉林は少ないのではないでしょうか。集落の皆さんも日頃下森さんの杉林に入ることは無く、見事な管理状態に感動しておられました。同時にこのような農村資源を後の世代に残すことの大変さをあらためて痛感しておられました。

 

下森宏さんの杉林の付近は標高も高く、これより上部には田んぼも民家も無いため、ため池の状態がよくため池の動植物をたくさん観察することができました。

点在する小さなため池を観察しながら少しづつ里山を下って行きます。

予定通り午後3時過ぎには集会所に到着し、続いて生嶋史朗先生に下集落の生き物について講演していただきました。主に今回の観察でいけなかった箇所で見つけた植物についてお話いただきました。生嶋先生は今回の観察会に向けて数回下見をしておられ、その研究者として誠実さにあらためて頭がさがる思いです。この日の観察会に暑い中駆けつけていただいた皆様に感謝申し上げるとともに、学術的な裏付けをいただいた生嶋史朗先生にあらためて感謝いたします。

平成20年度生態観察会のお知らせ

鮎原下町内会の皆様方、また日頃から鮎原下集落の農村環境に興味を持っていただいている皆様、今年も「鮎原下農地水環境保全隊」の農村環境の向上や生態系保全の実践活動として、生態観察会を実施することになりました。

昨年は淡路島出身の生物写真家を集落にお迎えし、里山の爬虫両生類等の観察会を実施しましたが、本年度は洲本市由良の国立公園・成ケ島で貴重な植物等の保全活動をされている生嶋史朗(いくしましろう)先生をお招きし、下集落の畦道やため池周辺を歩きながら、アゼクサ・ツユクサを中心に里山の動植物の観察を行います。

鮎原下集落の自然環境を予備調査する生嶋史朗先生

生嶋史朗先生は、成ケ島においても日頃から観察会のガイドを務められ、そのわかりやすい説明と淡路島の自然環境に対する造詣の深さには定評があります。

7月の暑い時期ではありますが、夏休み前の休日を、淡路島の里山で過ごしませんか。たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

日程 平成20年7月13日(日曜日)
時間 午後1時より午後4時(予定)
集合場所 鮎原下安心コミュニティプラザ(午後1時集合)
主催 鮎原下農地水環境保全隊  鮎原下子供会

講師 生嶋史朗(いくしましろう)先生
略歴 鹿児島大学 農学部卒業  元 南淡路農業改良普及センター 普及指導員
現在 成ケ島を美しくする会理事 昆虫養殖・販売業


※あくまでも予定であり当日変更される場合があります。

鮎原下安心コミュニティプラザに集合し、藤兵衛谷池方面へ向かいます。その後クワイ池の堤を通過し、途中山中の用水路を経由して木田勝巳様の炭焼き小屋を目指すコースです。

全行程約1.7kmのコースとなります。

長そで、長ズボン、軍手、汚れてもよい格好でお越し下さい。(雨天中止)